2008/04/23

4月12日 読売新聞より

『チベットの現状知って』元難民男性が長野で訴え


長野市で26日に行われる北京五輪の聖火リレーの際に、コース近くでアピール活動を予定する団体代表の元チベット難民ツェリン・ドルジェさん(34)(名古屋市在住)が読売新聞の取材に応じた。
 「チベットの現状を日本の人に知ってもらい、チベットが平和になるように訴えたい」としながらも、活動は「日本の法に従って平和的に行う」と述べ、過激な行動はしないとした。

 団体は、国際組織「スチューデンツ・フォー・ア・フリー・チベット(SFT)」。ツェリンさんは、1月に日本支部代表に就任し、長野での聖火リレーにあわせた行動を考えていた。
 ツェリンさんは「声を上げなければ、中国は聖火リレー、五輪ともに『成功だ』と言うだろう。私たちはダライ・ラマと話し合ってほしいと中国政府にお願いしているだけ」と話す。
 
海外でリレー走者を妨害するなどの混乱が起きていることには、「感情的になって抗議する人の気持ちもわかる。だけど、私たちは平和的に訴える」と強調。日本には、「中国が話し合いに応じるよう働きかけてほしい」と要望した。

 ツェリンさんは、チベット難民が集まるインド北部のキャンプで生まれ、すぐに学校に預けられた。「親たちも生きるだけで精いっぱいだったから」という。インドで出会った日本人女性と結婚し、1999年に来日して日本籍を取った。

 SFT日本支部は、日本人学生が中心になって運営、最近は休眠状態になっていたが、5人ほどで活動を再開した。当日は、JR長野駅前とゴールで日本人支援者らと横断幕を掲げるなどする。日本には50~60人のチベット人がいるとされるが、「生活が苦しく、長野に何人集まれるか分からない」という。

 長野の聖火リレーを巡っては、ほかにも、20~26日に気功集団「法輪功」や反中国を掲げる組織など4団体が、集会やデモ行進などを計画している。

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